2023年度
キャラクターデザインに
挑戦!
マンガイラストコース受講生によるこの部門では、テーマに沿って『プロットシート』を作成し、その内容をもとにイラストやマンガを制作、プレゼンテーションとして発表するところまでをゴールとしています。「テーマ内容をいかにイラストで表現し、プレゼンテーションを通して伝えることができるか」を評価基準とし、イラストの上手さだけではなく、相手にどれだけ自分の考えを伝えることができるかを競い合います。
今年度のテーマは「あなたのジモトの妖怪発見」。生徒が在籍するキャンパスの所在地や居住地域の名産品や風土などをもとに、チームでオリジナルの妖怪キャラクターを作成します。
『プロットシート』とは?
作品作りの骨組みとなる設計図のこと。プロットシートの内容をもとに制作を行い、プレゼンテーションの発表内容を固めていきます。
例えば、今年度のテーマで作品を制作しようとする場合、妖怪のモチーフとなったものやそれを選んだ理由、妖怪にまつわるエピソードや妖怪の特技・性格などをまとめていきます。
審査の流れ
- 指定されたテーマに沿って作品・プロットシートを制作します。
- 作品・動画による一次審査を行います。
(2月上旬) - オンラインによる決勝大会にてプレゼン発表を行います。(3月上旬)
- 入賞作品を公式 SNS・ホームページ等で発表します。
結果発表
チームの仲間と協力し合って、最後まで頑張りました!
グランプリ
福山キャンパス Sky Rose 「ワタラ丸(海羅丸)と銅猫(あかがねこ)」
「ワタラ丸(海羅丸)と銅猫(あかがねこ)」
[どんな妖怪?]
広島県・鞆の浦にある常夜燈がモチーフ。ワタラ丸は、現存する常夜燈の付喪神。銅猫は、明治15年の水害で流されたとされる幻の灯籠・唐銅灯籠の付喪神。
[審査員のコメント]
地域の特色をキャラクターの設定に上手く盛り込ませていて、細かい部分にも説得力があり惹き込まれました!裏付けとなる設定もあり、妖怪の成り立ちから役割や目的・行動などもわかりやすかったです。キャラクターのデザインでは細部まで凝っていてとても可愛らしく好感度の高い妖怪ですね!
また、ビジュアルだけでなく、しっかりと妖怪と向き合い練られているのが伝わってくる作品でした。最後の締めくくりでは、妖怪を通して見る世界や我々人間の在り方などについて触れていて、プレゼン全体にまとまりがありとても良かったです!
[率直な気持ちをどうぞ!]
「もう本当に心から嬉しいです!!何より何度も話し合ってチームで作り上げた作品でグランプリを受賞する事ができた事が誇らしいです!!チーム松本やはれときどきぱいなっぷるさんと決勝で戦うことが出来たのが嬉しかったです!!」「前回のグランプリ、準グランプリの皆さんを差し置いてまさか自分たちが......なんて思いがあってまだ実感が湧いてないのが本音です(笑)本当に一緒に作品を作ったメンバーに巡り会えて感謝しかないです。来年もグランプリ目指して行きます!どんなお題になっても負けません!!」
Q:おおぞら杯に参加しようと思ったきっかけを教えてください。
山西さん:最初は「へぇ〜せっかくだし参加してみようかな」という軽い気持ちでした。
小林さん:キャラクターデザインがやりたい!!という思いが前からあったので今回参加しました。
Q:参加して感じた自身の変化・発見について
教えてください。
山西さん:今まで長い時間をかけて一つの作品を作り上げるという経験がほとんどなかったのでいざチームで共同作業をするときに価値観や方向性の違いで右往左往しながらの制作でした...。あと、設定を練り始めた頃に前回のグランプリを受賞した松本キャンパスのプレゼンを拝見して、そのクオリティの高さに自分達の考えの甘さを痛感したとともに、本気で決勝に行ってこのチームと戦いたい!!と強く思った事が印象的でした。仲間とのコミュニケーションの間でお互いを認め合い、支え合う事が出来るようになったのと、絵を描く上で妥協するところや短い時間で良い絵を描けるようになったと思います!
小林さん:共同でキャラクターを作り上げることが初めてだったので、互いの思いや考えが伝わっても、その思いだけが積もってイラストになるとまとまらないということが最初はとても苦労しました。互いに絵のタッチも違い、思い描いてるカラーも違ったのでなかなかまとまりませんでした。また、提出間際に私がインフルエンザにかかり、メンバーと話し合う時間が無くなってしまい最終的にスライドを1人で作らせてしまったことが今でも悔しいです。でも、設定やストーリーなどは連絡し合い私の思いが少しでもメンバーに伝わったのが一つの作品、キャラクターになった時が1番幸せでした。
Q:チャレンジしようとしているみなさんへ
メッセージをお願いします!
山西さん:仲間と一つの目標を持って何かを作り上げる事ってすごく楽しいよ!
小林さん:自分の好きをとにかく大切にして欲しいです!好きなものを嫌いになったり辛くて辞めたい気持ちになることもありますが、「それでもやめたくない!!」って思えるものに出会えるかも知れません。
準グランプリ
松本キャンパス チーム松本 「オミヤマサマ」
「オミヤマサマ」
[どんな妖怪?]
「長野の自然」と「案山子」がモチーフ。人間の活動によって汚された「山そのものの悲しみ」が具現化した妖怪。
[審査員のコメント]
プレゼンにおける構成と設定がよくできていました。喋りも聞き取りやすく安定していました。決勝へ向けてより分かりやすく絵も追加されていて改善点も良かったです。やまびこや案山子といった、普段聞いたり見たりしているものを妖怪の仕業としているところは良いのですが、キャラ性は弱く(妖怪というより)神に近い存在なのかなとは思いました。
[率直な気持ちをどうぞ!]
「2連覇できなかったのはもちろん悔しいですが、まず決勝に残れて、あの強敵揃いの中で準グランプリをいただけたことが本当に嬉しいです!」「1人での制作だと、どうしても限界が出てきてしまい、コーチたちにも支えてもらいながらここまで来ることが出来ました。今回の制作の中で自分が苦手だったり、考えが詰まりやすいと感じる部分をさらに洗い出すことが出来たので、これから意識的に改善していこうと思いました。」
準グランプリ
熊本キャンパス 三人車 「暗夜姫・灯り童子」
「暗夜姫・灯り童子」
[どんな妖怪?]
山鹿灯籠まつりや山鹿灯籠がモチーフ。山奥に迷い込んだ人を帰るべき場所へ導いてくれたりする。
[審査員のコメント]
妖怪のデザインが良くできています。また、それぞれエピソードがイメージでき、決勝に向けてのブラッシュアップも良かったです。山鹿市の位置のカットと灯籠のイメージ、山鹿灯籠祭りのカットがあるだけでもっとニュアンスが伝わったと思います。
[率直な気持ちをどうぞ!]
「前回賞を取れなかった為、今回がとても嬉しい。次も出れたら出たい。」「初めて参加してみて準グランプリという結果を残すことができてとっっっっっっっても嬉しいです!」「率直に言ってとても嬉しく思っております。今回のおおぞら杯はとても貴重な体験だと思っております。この体験を忘れずおおぞら杯に限らす活かせるようにしたいです。」
審査員特別賞
千葉キャンパス はれときどきぱいなっぷる 「妖怪千葉駅のエキチョーさん」
「妖怪千葉駅のエキチョーさん」
[どんな妖怪?]
八日市場駅(ようかいちばえき)がモチーフ。妖怪千葉駅の運営・管理を行っており、主にオキャクサマのいざこざなどの問題解決やマイゴの案内をしてくれる。
[審査員のコメント]
プレゼン素晴らしい! 一生懸命演じながらプレゼンしてくれたのが良かったです。雰囲気出てました!
また、八日市場駅=妖怪千葉駅か!オモシロイ着眼点ですね! 視界を共有する設定や、 駅長さんの話術で我が強い妖怪を相手に解決するのも面白かったです。 オリジナリティあるストーリーまで良く出来ていると思いましたし、 刀使いの駅長さん格好いい!(マンガでも活躍できそう!) プレゼンの絵も色々細かく用意されていて良かったです! 迷い込んだ女の子を助けてあげるのも優しいし好きですね! 妖力が込められた切符などの設定もおもしろい! 彼に会ってみたい!
[率直な気持ちをどうぞ!]
「審査員賞ということで悔しいのは勿論ありますが、納得してる部分が多くて、やりきった、スッキリとした感覚です。」「前回の参加はコーチに勧められてあまり気乗りせずに参加という形でしたが、今回の参加は自分でやりたいと言って参加しました。数年前の自分では到底考えられないことだと感じています。 おおぞら杯を通して画力は勿論、動く力、伝える力、そして誰かに頼ることが出来るようになっていって自分の変化と成長がとても顕著に出ていて、参加して良かったなと思っています。」
審査員特別賞
広島キャンパス ぐーちょきぱー 「山本(さんもと)」
「山本(さんもと)」
[どんな妖怪?]
広島市南区の昔話や言い伝えなどをまとめた広島の七代伝説の一つ、「妖怪伝説」に収録されている「稲生物の怪録」がモチーフ。江戸時代中期に実在した稲生武太夫という男を、毎日驚かしにやってくる。
[審査員のコメント]
有名な稲生物怪録の「山本」を九尾の狐とし、そこにキャラクター性を持たせたのが良いアイデアでした!しかも妖怪に感情(恋心)を待たせたことで、愛らしく好感のもてるキャラクターに仕上がったと思います。キャラクターデザインも可愛らしく、九尾を髪と尻尾で表現されたのも良かったですね!
プレゼンでは「毎日、毎日、毎日」と繰り返しの中の変化が上手く表現されていました。見ている人を楽しませる演出が盛り込まれているのも良かったと思います。2人の会話の掛け合いでプレゼンが進んでいくのも、協力しあっている感じがとても伝わってきて良かったです!
[率直な気持ちをどうぞ!]
「嬉しいです。参加してよかったなと思いました。相棒にも感謝しかないです。」「昨年より結果がよくなかったので、少し悔しくもあります。」
審査員総評
審査員:日本マンガ塾 上原 ゆかり 先生
今回も沢山の力作が揃い、非常に楽しく見させて頂きました!地域の特色を盛り込ませた妖怪はどれも魅力的で、その土地を訪れたくなるほどです。また、それぞれのチームのリサーチ力・発想力・表現力・プレゼン力、などが色濃く出たプレゼンではチームワークとしての成果も出ていてとても素晴らしい決勝大会になったと思います。この経験を今後の皆さんの活躍に活かして欲しいと思います!
審査員:日本マンガ塾 兼島 信哉 先生
本当に皆さんの作品には驚きもしましたし、楽しい作品でした。 また、実際の決勝大会でのプレゼンを見て、聞いて感じるのは、やはり細かく作られていたり、プレゼン資料がパワーアップしていたり、見やすかったり、沢山練習して聞きやすかったり、皆さんの努力に胸が熱くなりました。
みなさんのプレゼンは、絵で見る以上に妖怪に厚みが出てきて皆さんの妖怪に親しみが持てました!趣向が凝らされてる演出ありの語りも、王道の丁寧な説明のプレゼンもそれぞれ良い所が出ていた大会だと思いました。みなさまお疲れ様でした!
審査員:日本マンガ塾 松元 保郎 先生
学年を問わず競い合える事は良い経験です。地元のことを調べて地元の妖怪を通して地元への興味も湧いてくるかと思います。どんな所でも物語の中心になります。チームで作ることの楽しさ難しさ振り返ればこれも「青春」です。
審査員:日本マンガ塾 西原 大太郎 先生
どの作品も、その地域の妖怪というテーマに則り、よく考えられておりました。 全体の印象として「キャラクター設定の面白さ」というものが際立っていた大会だったと思います。 この、キャラクターが際立っているということは、イラストづくりにおいても、マンガづくりにおいても、今後の創作の最も重要なポイントとなっていきますので、これから先も「キャラクター」というものを大事にしていっていただければと思います。
あとは、どうすればもっとイラスト的なインパクトを上げることができるのか、という「演出力」を、今よりさらに磨き上げていってください。ディテールの描き込みにおいては、さらに丁寧にこだわって、根気強く描いていきましょう!
また、何よりも皆さんのプレゼンには心を打たれました。作品への熱い思いが伝わってきて感動いたしました。今後の皆さんが生み出す作品を楽しみにしております。